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   劇場そっちのけで、DVD/BDや衛星放送を利用して映画を家で見るという、およそ映画ファンとしては許すまじき趣向を重んじるブログです。

05.14.16:00

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02.01.23:27

2001

51jYA7Mv32L._SS400_.jpg 今夕WOWOWで放送があったらしい「2001年宇宙の旅」。放送自体はスッカリ逃したんですが、そもそも年末に「ブレードランナー」のBOX購入時に一緒に買ってた北米版BDを「そういや」っつー感じで引っ張り出して鑑賞。カミさんも一緒に見始めましたが途中で爆睡してました(笑。なんぼ字幕殆ど不要な作品といえど、日本語吹き替え版でも眠りに誘われてしまう作品ですから仕方ないところか。

 それほどフリークじゃないんですが、人並みにこの作品は好きです。DVDでは国内版のキューブリックコレクション仕様と北米版のスペサルコレクター仕様を所有してましたが、HV仕様もついウッカリ逝ってしまいました。

 今更ですが、この作品は私が産まれるよりも更に前に作られた作品です。私はS44年産まれで本作はS43年製作の作品。アポロ月面プロジェクトの真っ直中に、未来への夢をモッコリ盛り込んで製作されたSF大作であり、アーサーCクラークとキューブリックのコンピレーションで産まれた重厚且つ難解な物語でもありますが、40年近く経過した今見ても、考証的な古さはともかくとして、卓越した映像センスはHV解像度でも全く破綻しません。
 流石に冒頭の類人猿のシーンは、高解像度の影響で特撮丸出しになっちゃってるんですが、それ以外は本作特有の鑑賞者を引き摺り込む映像が健在。っつーか家庭での鑑賞としては過去最高レベルか。

 オーケストラのサウンドも素晴らしい筈ですが、我が家の環境では堪能できず残念。PCMで収録されてるんでデコード出来りゃいいんすけどね。

 久しぶりに最後まで見ましたが、何度見てもラストの「木星と無限」のパートの意味が判りません(笑。知識としてボーマンがモノリスに取り込まれスターチャイルドとして輪廻転生するってのは知ってるんですが、そうした知識無しに見るのであるならば、一体何を示唆する映像だったのか、未だに納得しうる結論に至っていません。つか、キューブリックという人物のキャラから考えれば、固定化した結論に至ってはイカンのかも知れませんな(笑

 意味は判らないのですが、反面このパートの木星の描写は大好きです。人類は木星どころか月でさえアポロプロジェクト以降まともに行けないまま2001年を迎えてしまいましたが、お陰でこの40年も前の作品に未だに夢を見ることが出来ます。LD版→DVD版→北米特別版DVD→BD版とパッケージの変遷を追うように、まんまと担がれて買っちゃってる馬鹿な私ですが、本作に限っては、買い換える度に新しい発見が有るんですよね。そういうのを不朽の名作というのかも知れません。
 
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01.22.13:13

ユリイカ

51oq8ZKxsDL._SS500_.jpg 役所広司主演のロードムービー「EUREKA-ユリイカ」。暫くDVDが入手難状態だったこともあり紹介しても仕方ない作品だったが、漸く今年になって再販される(2月)事となったのでご紹介。私はスカパー!の日本映画専門チャンネルHDで見ましたけど。

 取り敢えず長い作品です。「キングコング」や「ロード・オブ・ザ・リング」の完全版並に長い217分の作品。しかもほぼ前編セピアカラーのモノクローム映像で、特撮だのサラウンドだのとも無縁の中身で勝負仕様。こんだけ長いとただでさえ見てる途中でダレて来るんですが、僅か30分ほどでダレた事があるデビット・リンチの「ストレイトストーリー」同様のロードムービースタイルって事で、当然途中でダレるかと思いきや、意外や意外ダレる事無く最後まで見れてしまった。

 役所広司演じる主人公沢井は西鉄バスの運転手。西鉄バスと言えば例のバスジャック事件が全国レベルでは有名だったりするが、本作ではその事件の模倣犯と思しき男が起こしたバスジャック事件が全ての発端となる。運転手と直樹(宮崎将)梢(宮崎あおい)の兄妹を除く6人の乗客が殺され犯人も刑事によって射殺されるのだが、生き残った三人も心に深い傷を負ってしまう。それだけではない、この事件を切っ掛けに三人の周囲の人々の生活も歯車が狂いだしてしまう。興味本位の周囲の目、取り分けマスコミの過剰な取材攻勢の影響を受け、沢井は妻を残して蒸発、直樹と梢の二人も父親の事故死(自死)と母の蒸発という状態に陥ってしまう。そして事件から二年後になって沢井がふらりと戻ってくるのだが、同じ事件に遭遇した若い兄妹が両親を失い二人きりで引き籠もり状態となっている事を知り、思うところあってか二人を訪ね、無言のまま三人による奇妙な共同生活が始まる。奇妙ながらも静かに暮らす三人だったが、彼等の周辺で或る事件が発生し、それが沢井の帰郷に合わせるかの様に起きたため、またも三人は事件に巻き込まれていくのだが・・・

 冒頭に宮崎あおいの「大津波が来る・・・皆きっと居なくなってしまう」という静かなナレーションと共に幕を開けるのだが、主役扱いの役所・宮崎兄妹(役柄だけではなく実の兄妹)の台詞が非常に少なく、兄妹に至っては無いと言っても過言ではないほど。反面取り巻きの台詞は福岡弁丸出しで騒々しく、事件以来”静寂”を求めたい三人の心情を、モノトーンカラーと極端に少ない台詞によって表現しているとも思えるが、これによって見る側の想像が掻き立てられ、映画なのに読書をしている様な感覚で楽しめる作品となっている。多分長尺なのに飽きなかったのは、私的にはココに理由があると思う。映画で三時間は長いが、読書で三時間は「一気に読んでしまった」というレベルだしね。

 説明が少ないのも良い感じ。冒頭のバスジャック犯が何故事件んを起こしたかとか犯人を執拗に背後から撃ち続けた刑事の心境であるとか、何故沢井が蒸発してまた戻ってきたのかとか、そうした事には説明を付けたがるものだが、本作ではそこらは勝手に想像してくれと言わんばかりに潔く無視しているが、そうした点も、他のことに散心させられず、三人の主体的立場に立脚して最後まで見ることが出来る様にする為の故意による放置とさえ思えてしまう。

 哲学や仏教という分野では「文字に依らず内義に依るべし」という原則があるが、本作も映像や音声を伝えたいのではなく、作品そのものに込められた「人間の罪と罰」そのものを、映像や音声を触媒にして感じ取って欲しいという製作者側の意図が、巧く盛り込まれた217分だったと言えるんじゃぁないだろうか。

 私個人は昨今の邦画は勿論、こうしたロードムービーってのは、どうも辛気くさくて好かない傾向があるんですが、本作に関しては素直に面白かったと思えました。なんちゃら製作委員会を立ち上げてリスク分散してから、俳優業はド素人のタレント上がりの三流役者を使ってクソみたいな映画を垂れ流してる邦画の世界でも、まだまだこういう面白い物作る人も居るんだなーと皮肉イッパイに感心したのでした。

01.18.12:43

犬神家

51pFOODok1L._SS400_.jpg 犬神家と言っても”にしおか~すみこだよ~”の一発芸ではなく、横溝正史原作の金田一耕助シリーズの話。金田一+市川崑というのは、日本映画史に於いても捨て置けない組み合わせである。昭和51(1976年)に角川映画で製作された本作は、石坂浩二演じる金田一耕助の癖のある風体と、グロテスクな殺人演出、そして横溝作品らしい「単純だけど誰も気が付かない」トリックの絶妙さを巧みに映画化した珠玉の一作であった。石坂浩二・加藤武の名コンビは勿論のこと、高峯三枝子・島田陽子・あおい輝彦といった演技派俳優に加え、横溝正史氏(!)や角川春樹(←さすがにこれは余計ww)といったカメオ出演なんかあってキャスティングの妙も光る一作であった。こういう言い方すると、ノスタルジックな旧作への盲敬と思われるかも知れないが、何度もテレビ化映画化された金田一シリーズに於いて、金田一耕助=石坂浩二と昭和世代の誰もがイメージしてしまう所は、本作の印象が如何に強いかを伺わせる。ちなみにオレちゃんは金田一=石坂と金田一=古谷一行というイメージが五分五分であるが、これはテレビ版のシリーズ(古谷一行主演)の大ファンであった影響である。

 さて、その名作「犬神家の一族」が30年ぶりにリメイクされた。面白いのは、昨今よく有るとことんまで旧作イメージを払拭してしまったウンコリメイクではなく、監督も主演も全く同じでありながらのリメイクであると言うこと。当然旧作と比較されてしまう訳だが、旧作があまりにも印象的だったが故、そのリメイクへの評価は自ずと厳しい物になるであろう事は予想されたが、それでも敢えて斯様な手法でリメイクした理由は何なんでしょうかね?

 旧版は置いておいて新作版の評ですが、取り敢えず石坂浩二+市川崑って事で安心感はあります。またストーリーも特に弄ってなくてこれも安心感。作品が作品だけにネタバレもクソもないので言ってしまいますが、佐清のフリした青沼静馬の壮絶顔面メイクが物凄い進化しております。もうね「おいおい、流石にそこまでのダメージを喰らえば普通死んでるだろ?」っつー位です。
 一方脇を固める俳優陣ですが、松子役の富士純子や静馬&佐清役の尾上掬之助なんかは非常に良かったと思うんですが、竹子役の松坂慶子や梅子役の萬田久子辺りがダメだったのが意外。監督と波長が合わなかったか、元からそうなんかは知らんけど、旧版の三条美紀や草笛光子に比べると薄弱な印象。もっとダメだったのは物語の根幹を担う珠世役の松嶋菜々子。役所が役所なだけに、ココがダメだったのはイタイですな。違う意味で意外だったのは奥菜恵。恋人の無惨な死によって精神的にブっ壊れる佐世子役でしたが、旧作の川口晶の壊れっぷりとはまた違った壊れ方で、蛙もセットで好印象w

 ストーリーは余りに有名だとして、最後の静馬の「湖面から足だけニョッキリ」の有名な儀式ってのがありますが、ヨキ・コト・キクの三種の神器の内、最後に残ったヨキ(斧)になぞらえて殺されたって事になってますが、原作ではヨキを使わずに殺されたのは何故?という謎を、「スケ”キヨ”を逆さにしてヨキになぞらえたんだ!」と金田一が解明するわけです。そこが単に斧で殺されて逆さまに沈められたって事になってて、わざわざ逆立ち状態で埋める必要性が無くなってしまってます。肝心な部分なんですけど、市川崑も忘れちゃってたか?


 特別版DVDだと新旧二作がセットになってて比べることが出来て面白いですね。映像や音声は技術的な古さを感じるとはいえ、覩る者を引き込むパワーに関しては旧版の方が圧倒的な印象。返す返すも松嶋菜々子のキャスティングは失敗だったと思うんですけど、ここらは見る側の物差しによって変わるかも。珠世にミスマッチ感を感じなければ新版も充分楽しめるじゃないでしょうか?

 余談ですが、CG技術の賜と言いますか、平成の世に昭和の戦争直後の日本の風景を再現しているのが素晴らしいです。現代風にアレンジする手法もアリかも知れませんが、静馬と佐清の不思議すぎて残酷すぎる戦地での出遭いが物語の核な訳ですから、昭和戦後の情景に拘っている点は素晴らしかったです。

 色々書きましたが、市川崑の犬神家を見たければ、今でも76年版を見れば充分堪能出来て完結しますという話でした。新版の必要性は未だに判りません。市川崑のノスタルジーな感傷に付き合わされるって感じかな?w

01.16.13:05

16ブロック

51r95kOWYpL._SS500_.jpg 50過ぎてもダイ・ハードことBウィリス主演の「16ブロック」。監督は「リーサル・ウェポン」のリチャード・ドナー。

 ウィリスと言えば昨年公開の「ダイハード4.0」の方が興行的には良かったんだろうけど、映画としては2006年公開のコッチの方が全然面白かった。

 ウィリスが演じるのは主人公のジャック。或る事件を切っ掛けにすっかりヘタレと化してしまい、目下日陰者とか窓際族に成り下がった上にアル中驀進中の刑事です。そんな彼に或る日下った命令は、重要事件の証人を16ブロック先の裁判所まで護送するって仕事。そんな簡単な仕事でもやる気ゼロのジャックですが、嫌々引き受けるハメになります。どっかのやたら24時間で事件を解決するジャックとは大違い。
 で、たかが16ブロックと軽く考えて、口うるさい囚人のエディーの護送を開始したら、いきなり武装集団の襲撃を受けてサァ大変。行く先々で武装集団に襲われるハメになり、漸くジャックも護送が簡単ではないことを思い知らされてしまいます。オマケに護送中のエディーってのが、「48時間」のエディーマーフィーに負けず劣らずの曲者で、その曲者ぶりが護送を更に難易度の高いものにしてしまいます。普通なら「オレ、もうやーめた」となるんでしょうが、彼は追いつめられるごとに昔の「あの頃のジャック」の面影を携えるようになり、次々襲いかかる武装集団から、身を挺してエディーを守り、意地でも裁判所まで辿り着いてやると根性モードを発動します。どっかのいい加減な海賊のジャックとは大違いです。
 あの手この手で追い込まれて行くジャック、堕落した日々のお陰で足腰ヨボヨボ視点はヨレヨレ腹はメタボリックな彼ですが、果たしてDHのマクレーン刑事のように事を成し遂げる事が出来るでしょうか?ってな物語です。


 いきなりドカーーーンと来るアクション大作ではなく、最初は静かに始まって次第にテンションをあげていく展開で”見せる”サスペンスアクションの仕立ては定石通り。DHの様な「どうせ死なないだろ?」ってな安心感は無く、むしろ「あ~、もうダメだろ」って状況から悉く這い上がる様は、或る意味本作こそDHの正統的続編スタイルと言えるかも?キャスティングも強そうな主人公が実に頼りなく、誠実そうな男が物凄く嫌なヤツってなキャスティングの妙も手伝って、最後まで楽しんで見れました。

 ウィリスって気が付けばいい歳になっちまったけど、まだまだ使える役者ですな。アクション出身俳優って、年取ると使い道が難しいんですが、デ・ニーロ程ではないにしろ、まだまだ活躍の場が多いでしょうな。

01.10.16:33

やっと届いた

51tSJ3dMBjL._SS400_.jpg 発送案内から約20日、やっとこ北米版ブルレイ仕様の「ブレードランナー」BOXが届きました。Expeditedで送れっつって言ったのに20日も掛かっちゃスタンダード以下ですよ。Standardに変更したとか?って請求書見たらばちゃんとExpeditedになっとるのが腹立たしい。まぁXマスに年末年始が挟まったから仕方ないかな?珍しく当局が開封した跡も有りましたんで、そこらも日数的に加算となったんかもしれません。気が付いてみると、海外版の発注で物凄く久しぶりとなりました。昔は日本版と北米版とで随分仕様差があったもんですが、今時は大して差はないですし、何より円安で海外通販のメリットも減ってたんですよね。ところが最近は「ドル建て財蓄の皆様ご愁傷様」な円高傾向で安定してますんで、こうした買い物ではお得な買い物が出来て嬉しいです。

  折角DVDでの北米との価格差が無いに等しくなったというのに、本作品ではまた姑息なプレミアム商売をしようと思いやがったか、日本版DVDのオマケ無しが14000円で、北米のBD仕様のオマケ無しだと40$で1$=110円計算でも4400円。日本版DVDおまけ付きBOXは24800円で北米版おまけ付きBD仕様だと100$=11000円。DVDと違って北米とリージョンが同じなので、プレイヤー側での小細工も要らないし、絶対に日本語字幕がないと×ってな人でなければ、北米版を買うのが全然お得だと思います。っつーか日本版はBDじゃなくてSDのDVD版ですよ。それが北米版のオマケ無しで3倍近く、おまけ付きなら2.5倍近くの価格ってのはどー考えても高過ぎです。

 で、文句はともかくとして、折角届いたので早速色々とチェックしてみたんですが、先ずパッケージには「ボーナス映像以外は日本語字幕有るよ~」って書いておいて、いざ再生してみると「ファイナルカット」版には日本語字幕がありましたが、後のバージョンには入ってません。っつーか、元は有ったんだけど日本の代理店から「こっちではアホみたいな価格で売りたいので北米版には字幕入れないで~」とツッコミ入ったかで無理矢理間引かれたんじゃね?日本版のブルレイ仕様が急遽発売延期でキャンセルになっちゃった理由も、ここらの調整に有りそうな気がします。

 私もそうですが、この作品のファンって、もう何回も何回も見てるんですよね。なので、本作お好きな方なら日本語字幕なんて無くても問題ないですよ。「二つで充分ですよ」なんて英語字幕さえ要らん(笑。でも、特典のドキュメンタリーには日本語どころか英語字幕さえ入っていないので、これは多少リスニングできる人でないと厳しいかも?

 さて、肝心の本編ですが、
最高です。生きてて良かった(笑
やたらと暗くてゴチャゴチャした映像が多い本作ですが、今や古典とも言うべき時代のSFでありながら、今でも見てる者を画面に吸い込むかのようなダークでシュールな世界が広がります。HDには「連中の思惑通りに誰が動く者か!」と天邪鬼気味に接している私ですが、流石に今回のは買って良かったと思いました。っつーか、初めてHDの良さを味わった気がします。特撮とかHDになって解像度が上がりすぎた影響でショボく見えるんじゃね?とか思ってたんですが、良い意味で裏切られた。これで漸くLD版の「劇場公開版」「完全版」のお役目が終わりました。

 そうそう、BOX版だと色々オマケが付いてたんですが、巷ではショボいだの何だの言われてますが、10000円程度ならば問題ないクォリティーで内容物も必要充分かと思います。でも24000円でこの内容だと不満が出るかも知れませんな。一番気に入ったオマケはホログラフィックを再現したアクリル製の置物かな?。ポリススピナーは、バラして改造して塗り直しまでしたいくらいのミニカーチックな出来です。んな大人気ないことしませんけど(笑