05.16.08:25
[PR]
02.16.12:33
また一人・・・・
訃報は一週間ほど前のことでしたが、ロイ・シャイダーが逝去されました。七十五歳だったそうです。ここ最近は多発性骨髄腫という癌の中でも難病とされる病を患い、ブロディ署長の如き闘志を以てジョーズの如き病と激闘を繰り広げましたが、遂に力尽きたとのこと。
ロイ・シャイダーで一番思い浮かぶのは「JAWS」でしょうか。確かに「フレンチコネクション」でのオスカー獲得がブレイクの切っ掛けとはいえ、あれは主役じゃありませんでしたからね(助演男優賞)。「オール・ザット・ジャズ」でのジョー役ではオスカー主演男優候補に挙げられたりもしたが、80年代以降の出演作はロクな物が無い。しかしながら「2010年」でのフロイド博士役と「ブルーサンダー」でのマーフィー役は私的に思い出深い。キューブリックの不朽の名作「2001年宇宙の旅」の続編である「2010年」は、原作では正式な2001年の続編になっているが、映画版では製作者がアホすぎたというか、当時最も大きな問題だった米ソ冷戦構造や対共産主義社会のイデオロギーであるとか、木星の生命体についての描写が削除されたりであるとか、描く世界が数十年後の2010年の出来事であることをスッカリ忘れてしまったかのような演出が多く、そういう意味では本来2001年宇宙の旅並に神秘性に富んだ作品になる筈が、単なるSFサスペンスになってしまっていて、主演したロイにとっても彼のキャリアの付加価値とは成らなかった。また「ブルーサンダー」では、低予算でありながら世のメカヲタ共を熱狂させるに余りあるアクション映画になったものの、有名になったのは俳優ではなく機械としての攻撃ヘリ”ブルーサンダー”であり、ロイは主演でありながらカレーの福神漬けのような扱いにされてしまっている。そういう意味では、80年代以降はツキが無い俳優人生だったのかも知れない。
クソ偉そうな意見としては、この人は主役ではなく脇役で芸を磨けばもっと違った魅力を沢山放てたのではないかと思う。先述のような作品中の役所での印象も悪くはないのだが、「マラソンマン」「蜘蛛女」「レインメーカー」等での主人公を引き立てる脇役の妙技は、主役を演じたときよりも印象に残っているのだ。そういう意味では、彼自身かエージェントかは知らないが、映画界の中に彼自身の確固たる居場所を持てない状況を生み出し続けたという意味で、80年代から90年代に掛けては模索に明け暮れた俳優人生だったのかも知れないと、ついつい想像してしまう。
最後に見たのは「パニッシャー」での、主人公の父親役。「お!ロイ・シャイダーやん」と思わせてくれたと思ったら、速攻で死んじゃう役でした。でも、「お!」と思わされた時点で、ロイ・シャイダーの勝ちだったんでしょうな。
合掌
ロイ・シャイダーで一番思い浮かぶのは「JAWS」でしょうか。確かに「フレンチコネクション」でのオスカー獲得がブレイクの切っ掛けとはいえ、あれは主役じゃありませんでしたからね(助演男優賞)。「オール・ザット・ジャズ」でのジョー役ではオスカー主演男優候補に挙げられたりもしたが、80年代以降の出演作はロクな物が無い。しかしながら「2010年」でのフロイド博士役と「ブルーサンダー」でのマーフィー役は私的に思い出深い。キューブリックの不朽の名作「2001年宇宙の旅」の続編である「2010年」は、原作では正式な2001年の続編になっているが、映画版では製作者がアホすぎたというか、当時最も大きな問題だった米ソ冷戦構造や対共産主義社会のイデオロギーであるとか、木星の生命体についての描写が削除されたりであるとか、描く世界が数十年後の2010年の出来事であることをスッカリ忘れてしまったかのような演出が多く、そういう意味では本来2001年宇宙の旅並に神秘性に富んだ作品になる筈が、単なるSFサスペンスになってしまっていて、主演したロイにとっても彼のキャリアの付加価値とは成らなかった。また「ブルーサンダー」では、低予算でありながら世のメカヲタ共を熱狂させるに余りあるアクション映画になったものの、有名になったのは俳優ではなく機械としての攻撃ヘリ”ブルーサンダー”であり、ロイは主演でありながらカレーの福神漬けのような扱いにされてしまっている。そういう意味では、80年代以降はツキが無い俳優人生だったのかも知れない。
クソ偉そうな意見としては、この人は主役ではなく脇役で芸を磨けばもっと違った魅力を沢山放てたのではないかと思う。先述のような作品中の役所での印象も悪くはないのだが、「マラソンマン」「蜘蛛女」「レインメーカー」等での主人公を引き立てる脇役の妙技は、主役を演じたときよりも印象に残っているのだ。そういう意味では、彼自身かエージェントかは知らないが、映画界の中に彼自身の確固たる居場所を持てない状況を生み出し続けたという意味で、80年代から90年代に掛けては模索に明け暮れた俳優人生だったのかも知れないと、ついつい想像してしまう。
最後に見たのは「パニッシャー」での、主人公の父親役。「お!ロイ・シャイダーやん」と思わせてくれたと思ったら、速攻で死んじゃう役でした。でも、「お!」と思わされた時点で、ロイ・シャイダーの勝ちだったんでしょうな。
合掌
PR
- トラックバックURLはこちら