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   劇場そっちのけで、DVD/BDや衛星放送を利用して映画を家で見るという、およそ映画ファンとしては許すまじき趣向を重んじるブログです。

05.14.10:35

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02.02.17:09

マルサの女

marusa_605gnbr1066pl.jpg昨夜はBS-hiにてマルサの女が放送されました。DVD版の抱き合わせボッタクリ商法のお陰でパッケージ版の入手が出来ていなかった作品故、折角なのでエアチェックなどしてBDに落として保存しちゃおうと思ってたわけ。

 非業の死を遂げた奇才”伊丹十三”の作品の中でも、珠玉中の珠玉が本作。「タンポポ」「御葬式」等で監督としての才覚は既に認知されては居たが、氏を完全無欠のメジャー監督に押し上げたのは紛れもなく本作でしょう。

 本作製作公開の87年といえば、丁度バブルの絶頂期に当たります。当時は893連中が悪徳不動産屋と結託或いは自ら運営して、そこら中の土地を買い漁り地価を高騰させ売り抜けボロ儲けをするという「地上げ」という錬金術が蔓延っておりました。そうした地上げ問題を、「金持ちに於ける死に神的存在w」たる税務署、それも強制捜査権限を有する国税局査察員という職を主人公に据え描き出したのが本作の趣向。脱税と節税の境界線は何処なのかってのは屡々司法の場でも争われることだが、本作では節税ではなく明らかなる脱税をして私腹を肥やしてる男を悪役に据え、それを宮本信子扮する板倉が全てを暴いて悪を成敗するという「勧善懲悪物語」として仕上げてるところが面白い。昨今「格差格差」っつって言われて止まないが、バブル期の格差に比べれば可愛いもんで、当時は正直者が馬鹿を見る経済情勢、悪時で私腹を肥やした輩が好き勝手に暴れていた世相があり、通常税務署なんてのは庶民から嫌われちゃう職な訳だが、そこを逆手にとってヒーローに仕立ててしまう所は、当時としては非常に斬新だったと記憶しています。「マルサ」って言葉は随分流行ったんよね。

 伊丹作品としては、この「マルサの女」から「マルサの女2」「ミンボーの女」「スーパーの女」「マルタイの女」と女シリーズへと引き継がれていくのだが、逆に言えばそうしたある種のパターン化されてしまった方向性からの脱却が、あの悲劇に向かうことになる監督自身の悩みの起点でもあったのかもしれない。

 で、HVだし保存に最適だしって事で録画してたんですが、終盤のクライマックスシーンで突然デカイ文字で
「紀伊水道沖で地震。震度3以上の地域は云々、津波の恐れはありません」
と何度も何度も出てしまいました。仕方ないとはいえ、お陰でエアチェックがパァーっすよ。デジタル化とか言うのなら、文字情報は出ても録画機には出力されないか記録されない様に出来ないもんですかね?まぁ何事もなかったからそう言えるんだと言えばそうですが。
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